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自己負担限度額と負担の軽減
介護保険サービスを利用したときは、原則として利用料の1~3割を支払います。
自己負担が重くなったときや、所得の低い方には負担を軽減するしくみがあります。
1.特定入所者介護サービス費の支給
介護保険施設に入所したとき、または短期入所(ショートステイ)を利用したときの食費・居住費は原則自己負担となりますが、所得の低い方には、負担を軽減するするために下記のとおり負担限度額が設けられています。
利用者負担段階 | 所得の状況 | 預貯金等の資産の状況 | 居住費(滞在費) | 食費 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
従来型個室 | 多床室 | ユニット型個室 | ユニット型多床室 | |||||
第一段階 | 生活保護受給者の方等 | 単身:1,000万円以下 夫婦:2,000万円以下 |
550円(380円) | 0円 | 880円 | 550円 | 300円 | |
世帯全員が住民税非課税 | 老齢福祉年金受給者の方 | |||||||
第二段階 | 前年の合計所得金額+年金収入額が80万円以下の方 | 単身:650万円以下 夫婦:1,650万円以下 |
550円(480円) | 430円 | 880円 | 550円 | 390円【600円】 | |
第三段階(1) | 前年の合計所得金額+年金収入額が80万円超120万円以下の方 | 単身:550万円以下 夫婦:1,550万円以下 |
1,370円(880円) | 430円 | 1,370円 | 1,370円 | 650円【1,000円】 | |
第三段階(2) | 前年の合計所得金額+年金収入額が120万円超の方 | 単身:500万円以下 夫婦:1,500万円以下 |
1,370円(880円) | 430円 | 1,370円 | 1,370円 | 1,360円【1,300円】 |
※従来型個室における( )内は特別養護老人ホームに入所又は短期入所生活介護を利用した場合の従来型個室の額です。
※食費における【 】内は短期入所生活介護または短期入所療養介護を利用した場合の額です。
※世帯が異なる配偶者の住民税の状況も判断の材料となります。
※預貯金に含まれるものは、資産性があり、換価性が高く、価格評価が容易なものです。第2号被保険者は、預貯金の資産が単身:1,000万円以下、夫婦:2,000万円以下であることが要件となります。
2.高額介護(介護予防)サービス費の支給
1か月あたりの自己負担が、下記の限度額を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。払い戻しを受けるには、申請が必要です。支給対象となる方には、高額介護(介護予防)サービス費支給のお知らせ・介護保険高額介護(介護予防)サービス費支給申請書を郵送します。
※施設サービス費等の食費・居住費・日常生活費等、介護保険の対象外の費用は含まれません。
区分 |
負担の上限額 |
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課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 |
140,100円(世帯) |
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課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1,160万円)未満 |
93,000円(世帯) |
|
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 |
44,400円(世帯) |
|
世帯の全員が市町村民税非課税 |
24,600円(世帯) |
|
世帯の全員が市町村民税非課税 |
前年の公的年金等収入額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方等 |
24,600円(世帯) |
生活保護を受給している方等 |
15,000円(世帯) |
3.高額医療合算介護(介護予防)サービス費の支給
医療と介護の両方のサービスを利用している世帯の負担を軽減する制度です。1年間の医療と介護の自己負担額を世帯で合計し、基準額を超えた金額を支給します。1年間の自己負担額を仮算定し、支給対象となる方には、支給申請書と支給申請についてのお知らせ等を医療保険の保険者から郵送いたします。
自己負担限度額(年額)
区分 |
限度額 |
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課税所得 |
690万円以上 |
212万円 |
380万円以上690万円未満 |
141万円 |
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145万円以上380万円未満 |
67万円 |
|
一般(市区町村民税課税世帯の方) |
56万円 |
|
低所得者(市区町村民税非課税世帯の方) |
31万円 |
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世帯の各収入から必要経費・控除を差し引いたときに所得が0円になる方 |
19万円 |
区分 |
限度額 |
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基準総所得額※ |
901万円超 |
212万円 |
600万円超~901万円以下 |
141万円 |
|
210万円超~600万円以下 |
67万円 |
|
210万円以下 |
60万円 |
|
市区町村民税非課税世帯 |
34万円 |
※基準総所得額=前年の総所得金額等-基礎控除33万円
※世帯において、医療保険・介護保険のいずれかに自己負担額がない場合は、支給対象となりません。また、入院・入所時の食費やベッド代、介護保険の自己負担限度額を超えた分などは含みません。
※計算の結果、自己負担額が500円以下の場合は支給されません。
4.社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担の減免等
市区町村民税世帯非課税で特に生計が困難な方が、利用者負担を減免する旨の申し出をした社会福祉法人等が行う特別養護老人ホーム・通所介護(デイサービス)・短期入所生活介護(ショートステイ)・訪問介護(ホームヘルプサービス)の介護保険サービスを利用した場合、利用者負担・食費・居住費が、4分の1又は2分の1(老齢福祉年金受給者のみ)に軽減されます。
要件は、次のとおりです。
- 軽減の対象となる者の属する世帯の年間収入が、単身世帯にあっては150万円以下、2人以上の世帯にあっては150万円に2人目以降世帯員が1人増すごとに50万円を加算した額以下であること。
- 軽減対象者の属する世帯の預貯金等の額が、単身世帯にあっては350万円以下、2人以上の世帯にあっては350万円に2人目以降世帯員が1人増すごとに100万円を加算した額以下であること。
- 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
- 負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
- 介護保険料を滞納していないこと。