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遠山 正瑛(とおやま せいえい)氏
プロフィール
本籍地 山梨県富士吉田市新倉123
住所 鳥取県鳥取市中町41
氏名 遠山 正瑛(とおやませいえい)氏
生年月日 明治39年12月14日
没年月日 平成16年2月27日 99歳
名誉市民 平成9年10月6日
略歴
明治39年 富士吉田市新倉に生まれる
昭和9年 京都帝国大学農学部 卒業
〃 10年 外務省文化事業部中国留学生として華北に2年滞在
〃 17年 旧制鳥取高等農林学校教授
〃 23年 鳥取大学農学部教授
〃 37年 農学博士(京都大学)園芸学会賞受賞
〃 38年 鳥取大学付属砂丘利用研究施設長
〃 42年 日本砂丘研究会長
〃 47年 鳥取大学退官名誉教授
〃 52年 勲三等旭日中綬章受勲
〃 59年 沙漠開発研究所(鳥取)開設 中国沙漠開発日本協力隊を編成隊長となる
〃 61年 国際ソロプチミスト日本財団より千嘉代子賞受賞
平成3年 日本沙漠緑化実践協会設立会長就任
〃 4年 (財)東邦生命社会福祉事業団より第三回社会福祉功労賞受賞
〃 5年 講談社(財)吉川英治国民文化振興会より吉川英治文化賞受賞 外務大臣賞受賞
〃 7年 毎日新聞社・朝鮮日報社合同企画 第一回日韓国際環境賞受賞
業績
遠山正瑛氏は、昭和59年(1984年)中国科学院蘭州沙漠研究所の要請を受け、中国の沙漠開発研究を行う。寧夏回族自治区の沙坡頭に5haのブドウ園を建設し、成功を収めた。現在、中国人管理のもと、糖度の高いブドウを生産している。
平成3年(1991年)日本沙漠緑化実践協会を設立、その会長に就任。同年氏は内蒙古自治区、伊克昭盟長等との合議により、クブチ沙漠恩格貝(2万ha)での植林を開始。現在、下草も生え野生動物も住みはじめ、生態系を取り戻してきている。
植林は現地中国人雇用による集中植林と日本からのボランティアの人達による二通りで実行している。日本からは平成7年(1995年)秋までに55グループ約1500人が参加した。
「100万本植林」のスローガンは至難の業とされていたが、平成7年(1995年)8月に達成。更に100万本を、より短期での実現に向かいスタートを切っている。
このように植林された苗木は、現地で約200日以上暮らす遠山正瑛氏をはじめ、常駐する日本人、中国人スタッフ等の管理により、その育成が図られている。
植林して生態系を取り戻した後には、農林、水産、牧畜、果樹とその域を広げ、農場には稲、麦、野菜、花卉等、また、果樹園ではブドウ、リンゴ、アンズなどを増やし適切な管理を行うことによって、不毛の沙漠は確実に生産可能地と変わり、迫りくる食糧危機回避の有効手段として期待されている。
また、現地の人達は、植林作業、農場管理等を通して現金収入を得、生活の安定につながる。
中国政府もこの事業に大きな期待を寄せており、中国政府郵政省は平成7年(1995年)4月21日、沙漠緑化の記念切手セット4種30万通を発行し、その発行記念祭を恩格貝で挙行した。
これらの業績により、昭和52年(1977年)に勲三等旭日中綬章が授与されたほか、昭和61年(1987年)には国際ソロプチミスト日本財団より千嘉代子賞を受賞、平成5年(1993年)外務大臣賞及び吉川英治文化賞を受賞するなど、さまざまな賞を受賞している。
主な著書
よみがえれ地球の緑 佼成出版社
21世紀への直言* 講談社
環境日本海構想と地域開発* 日本経済新聞社
沙漠緑化に命をかけて TBSブリタニカ
大地の砂(沙漠緑化の手引) 日本沙漠緑化実践協会
(注)*の付いている著書は分担執筆