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令和8年度市政運営に関する市長の所信表明
3月市議会定例会を開会するにあたり、私の市政運営に対する所信の一端を述べさせていただきたいと存じます。
本日ここに令和8年3月定例会が開会されるに当たり、提出案件の説明に先立ち、私の所信の一端を申し述べ、市議会議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
それでは、令和8年度に重点的に取り組む施策・事業につきまして、御説明申し上げます。
まず、1つ目の柱『稼げるまちづくり』についてでありますが、観光と投資による地域経済の強化に取り組んでまいります。
はじめに、中心市街地の活性化を進めてまいります。「富士みち」を軸とした下吉田中心市街地、上吉田御師まちの賑わい創出に取り組んでおり、「株式会社ふじよしだまちづくり公社」と連携し、空き家・空き店舗を活用した賑わい空間の創出を推進しているところであります。これまで、ファンド支援により、32件の事業採択、25件の店舗等が開業しており、今後も沿道の魅力向上を進めてまいります。
次に、吉田口登山道の復興を進めてまいります。昨年度策定しました「富士山吉田口登山道保存と活用のための活動計画」に基づき、一合目「鈴原社」の発掘調査、三合目「はちみつ屋」の構造物調査を進め、「麓からの登山」の推進に向け、歴史的・文化的価値の普及促進に取り組んでまいります。さらに、遊歩道の整備、登山道への景観や環境に配慮したトイレの設置などを進めてまいります。また、ふじさんミュージアムのVRシアターに新たな映像コンテンツを追加制作し、吉田口登山道の歴史的・文化的価値の魅力発信を強化してまいります。
次に、観光産業の振興を進めてまいります。地場産業である織物と観光を融合した「ハタオリマチフェスティバル」を実施するなど、本市に潜在する資源を活用した観光事業を推進してまいります。本市の自然、歴史、文化、食といった地域資源を活かし、地域で楽しみ、地域で消費する着地型観光を推進してまいります。登山や散策、伝統文化の体験、地元食材を味わう企画など、地域ならではの体験コンテンツを充実させるとともに、観光拠点間の回遊性を高めることで、市内での滞在時間を延ばし、観光消費の拡大と地域経済の好循環を創出してまいります。
道の駅のリニューアルにつきましては、10月の新施設のオープンを目指してまいります。さらに、既存棟につきましては、全国初となる「ふるさと納税リアル店舗」として再整備し、ブランド力の向上に努め、地域経済への波及効果を更に高めてまいります。宿泊税につきましては、観光施策の安定的な財源確保のため、近隣自治体と情報共有を図りつつ、令和9年度の導入を目指してまいります。また、剣丸尾西土地区画整理事業における会員制高級ホテルの計画につきましては、市外からの経済投資と消費流入の重要な拠点であり、組合と連携し早期実現を支援してまいります。さらに、南部の市街化の進行に合わせ「(仮称)南部東西幹線1号」の概略設計に着手し、利便性や防災力の向上を図ってまいります。また、横町熊穴線外2路線につきましては、令和9年度の完成を目指し、整備を進めてまいります。
続いて、2つ目の柱『誰もがチャレンジできるまちづくり』についてでありますが、子育て世代をはじめ、あらゆる年代の挑戦を支える環境整備に取り組んでまいります。
はじめに、子育てにおける経済的負担の軽減を図ってまいります。18歳以下の医療費無償化、小中学校の給食費無償化に加え、3歳児以上が保育所・幼稚園等を利用する際の主食費と副食費につきましても、引き続き無償化を継続してまいります。
次に、子供の居場所づくりを充実させてまいります。本市の「子育て支援センター」は、本年で10周年を迎えます。子供たちにセンターに親しんでいただくとともに、保護者の皆様に本市の子育て支援施策への理解を深めていただく機会となるよう、記念イベントを開催いたします。放課後児童クラブにつきましては、民設民営のクラブの増設を支援するほか、夏休み期間中の昼食提供を継続し、新たに土曜日開所を開始することで、より利用しやすい運営体制を整備してまいります。さらに、「こども誰でも通園制度」を実施し、多様な働き方や子育てスタイルに対応し、保護者の就労の有無に関わらず、子供が定期的に保育園等を利用できる環境を整備してまいります。
次に、子供たちの健やかな成長支援を進めてまいります。新たに、「子育て世帯訪問支援事業」を実施し、育児や家事に不安を抱える家庭にヘルパーを派遣し、生活面の支援を行ってまいります。また、県内初となる「児童育成支援拠点施設」の開設を目指す民間事業者を支援し、養育環境に課題を抱える児童に対して、食事や入浴などの生活空間を確保した預かり型支援を提供できる体制の整備を進めてまいります。
次に、安心して妊娠・出産に臨める環境整備を進めてまいります。不妊治療の支援につきましては、子供を望む方々の思いに寄り添い、安心して治療に向き合える環境整備が重要であります。本市はこれまでも支援に取り組んでまいりましたが、全国トップクラスとなる最大100万円の助成制度へと拡充してまいります。また、県内唯一の日帰りレスパイトケア施設「産前産後ケアルームひだまり」や、県内の一部の自治体のみが実施する「ホームスタート事業」により、妊娠期から出産・育児まで切れ目のない本市独自の支援を継続してまいります。これらの施策により、妊娠期から子育て期を通した一体的支援を強力に推し進めてまいります。
次に、教育環境の充実を進めてまいります。小中学校屋内運動場の空調設備整備と、照明機器のLED化を順次進めており、令和8年度は下吉田第一小学校と下吉田中学校の整備を実施してまいります。また、市立小中学校の在り方につきましては、現在、教育委員会において議論を進めているところであります。児童生徒数の減少や施設の老朽化などの課題を踏まえ、富士吉田市立小中学校再編計画検討委員会において学校再編計画を検討するとともに、子供たちにとって望ましい学校教育環境とは何かについて議論を深めていただいているところであります。これらの取組につきましては、地域の実情を踏まえつつ、今後のあるべき学校の姿を見据えるなかで、保護者や地域の皆様への丁寧な説明と対話を重ね、理解を得ながら進めてまいります。
次に、事業者の挑戦を後押しする経済活性化対策を進めてまいります。金融機関や山梨県信用保証協会と連携し、低金利の小口資金融資制度や、対象利息の50%を最大5年間補給する高水準の利子補給制度を継続することで、資金調達を強力に支援し、経営安定化、事業拡張、事業継続を促進してまいります。また、創業者が行う改装や家賃等への充実した補助制度により、商業地域の賑わい創出を図り、地域経済のさらなる活性化につなげてまいります。
次に、若者の定住・活躍を支える環境整備を進めてまいります。小学生から高校生までの若者を対象に連続的・段階的に郷土愛を育むプログラムを実施するとともに、本市出身大学生へのUターン就職促進プログラムを展開してまいります。また、移住支援金制度や定住促進奨励金制度及び新たに整備する結婚新生活支援事業補助金制度を継続的かつ効果的に運用し、移住・定住の促進を図ってまいります。
次に、人口減少対策に取り組んでまいります。子育て支援、移住定住促進、若者支援等の施策を通して、自然減・社会減双方に対応する取組を進めてまいります。各施策につきまして客観的検証を行い、有効性を確認した上で、見直しや改善を図り、より実効性の高い人口減少対策を講じてまいります。
続いて、3つ目の柱『笑顔があふれるまちづくり』についてでありますが、安心してこのまちで暮らし続けるためには、防災・福祉・地域コミュニティの維持は極めて重要な課題です。
はじめに、防災体制の強化と施設整備を進めてまいります。災害に強く、防災の拠点となる新たな市役所庁舎の整備に向け、今年度、基本計画を策定しております。新庁舎整備に向けて、庁舎整備基金への積立てを行うとともに、建設敷地拡張のための用地取得を進めてまいります。また、第2保育園の跡地を活用し、平時は市民の憩いの場、災害時は防災拠点となる「(仮称)大明見防災公園」の整備・設計を進めてまいります。
次に、災害への備えと意識の向上を図ってまいります。自力避難が困難な高齢者や障害のある方につきまして、福祉専門職等と連携し、「個別避難計画」の策定を進め、災害時に実効性のある避難支援体制の構築を図ってまいります。災害備蓄品につきましては、多様なニーズに配慮し、食料・飲料・資機材に加え、女性が必要とする衛生用品を拡充し、ローリングストック方式により適正な備蓄を行ってまいります。避難所のトイレ不足は、衛生環境の悪化や体調不良を引き起こします。この課題に対しましては、4か年計画で災害用ポータブルトイレの導入を進めてまいります。また、増加する外国人住民や訪日外国人観光客に対応するため、「わが家の防災マニュアル」及び「富士山火山噴火避難対策ガイドブック」の多言語化を進めてまいります。
次に、地域コミュニティの維持と活性化を支援してまいります。自治会活動においては、役員のなり手不足が深刻化しております。この課題解消の一助として、市政協力員である自治会長等に新たに報償金を支給いたします。また、地域住民の交流・学習・文化活動の拠点である基幹コミュニティセンターにつきましては、大規模改修を計画的に進めており、令和8年度と9年度の2か年にわたり、明見コミュニティセンターの改修を実施してまいります。さらに、改修済みのコミュニティセンターには、無線LAN環境を整備し、ICTの活用を可能とすることで地域活動の充実を図ってまいります。
次に、高齢化社会に対応した地域での暮らしの支援を進めてまいります。
「タクシー初乗り料金助成」及び「タウンスニーカーの運賃無料化」を継続し、移動手段の確保を図ってまいります。また、自動運転EVバスの自動運転レベル4での社会実装に向け、必要な許認可の取得を進めてまいります。高齢者を支える地域支援体制につきましては、身近な相談窓口である「地域包括支援センターブランチ」を一か所増設し、早期の支援につなげる体制を、引き続き強化してまいります。包括的な相談支援体制を通じ、介護予防の推進と社会参加の促進を図ってまいります。
次に、公共施設及びインフラの適正な維持管理を進めてまいります。水道事業につきましては、安全で安定した給水を将来にわたり確保するため、「下吉田配水場」「熊穴配水場」の大規模更新を進めてまいります。下水道接続率の向上に向け、未普及解消を図るため、3年間の時限措置として、接続工事への補助額を拡充し、接続の促進を図ってまいります。市営住宅につきましては、尾垂団地の浄化槽改修工事に加え、老朽化が著しい西吉田団地5棟を解体撤去し、適正な維持管理を進めてまいります。公共施設等の在り方につきましては、少子高齢化や人口減少による利用状況の変化、施設の老朽化等の課題を踏まえ、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の長寿命化や統廃合等を進め、次世代へ過度な負担を残さない持続可能な行政運営を目指してまいります。
次に、「SDGs未来都市」として、環境、経済、社会の各分野においてSDGsの理念を反映してまいります。住宅用太陽光発電システムの補助などによる自然エネルギーの利用促進をはじめ、リサイクルステーションでの拠点回収の更なる充実、リチウムイオン電池など危険物の分別徹底等を進め、循環型社会の構築を目指してまいります。
また、全国的に増加するツキノワグマ出没への対応として、捕獲用の罠を拡充する等、体制整備を図ってまいります。さらに、森林環境譲与税を活用し、「森林境界保全図(素図)」を作成し、管理が行き届いていない私有林の整備を支援し、温室効果ガスの排出削減や災害防止に努めてまいります。
最後に、好調なふるさと納税や観光産業、魅力あるまちづくりの進展は、言うまでもなく、世界に誇る「富士山」というかけがえのない地域資源に支えられた成果であります。私たちは富士山の恵みに感謝し、その価値を損なうことなく守り育てながら、この恵まれた環境を確実に次の世代へ継承していかなければなりません。このことは、私たちに課せられた重大な責務であると強く認識しているところであります。
こうした認識の下、市民の皆様の安心・安全を守り、生活の満足度を高め、持続可能な富士吉田市の実現に向け、今後も全力で取り組んでまいります。そのためにも、市議会議員各位、市民の皆様のお力添えを賜りながら、一つ一つの政策を着実に実行し、「富士吉田市を世界一の誇れる街」へと押し上げていく所存であります。
以上、今定例会の開会に当たり、私の所信の一端を申し述べました。市議会議員各位並びに市民の皆様におかれましては、なお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。


