富士吉田市下水道事業に公営企業法の財務規定等を適用しました。
昭和61年から供用を開始した本市の下水道事業は、建設の時代から維持管理の時代へ移行しつつあり、下水道管渠の老朽化に伴う更新投資の拡大や人口減少による下水道使用料収入の減少など、今後更なる厳しい財政状況が見込まれます。
そこで本市下水道事業は令和2年4月1日から、これまでの「官庁会計(単式簿記)」から地方公営企業法を適用した「公営企業会計(複式簿記)」へ移行し、官庁会計では把握することが困難だった損益情報や資産情報などを数値化することで財務情報を整理し、その企業的性格を生かしながら、本市下水道事業の将来に渡る持続可能な経営を目指します。
地方公営企業法の適用の経緯
下水道事業はこれまで、地方公営企業法の規定の全部又は一部(財務規定等)を適用することができる「任意適用事業」として位置付けられていましたが、総務省から平成27年度から令和元年度までの5年間を集中取組期間として公営企業会計適用の推進について要請がありました。
これを受けて本市下水道事業は、平成28年3月に「富士吉田市公共下水道事業地方公営企業法適用基本計画書」を策定し、企業会計方式本来の導入効果を十分に享受することができるという理由から法の一部適用に向けて固定資産台帳の整備、公営企業会計システムの導入などの準備を進めて参りました。
地方公営企業法適用の効果
財務適用等の適用により、保有する資産や経営状況、財政状況を的確に把握できるようになります。また管理運営に係る取引(損益取引)と建設改良等に係る取引(資本取引)に区分して整理するため、経営状況が明確になり、その分析を通じて将来の経営計画の策定に必要な情報を得ることができます。
また、ほかの類似団体との比較により、経営成績や財政状態をより正確に評価・判断することが可能となります。
◆使用料対象原価の明確化
期間損益計算により繰入基準額と使用料対象原価が明らかになり、経費や使用料の算定を適切に行うことが可能となります。
◆経営の自由度の向上
公営企業会計は経済性を高める行為に重点を置いているため、効果的・機動的な資産管理が可能となり、経営の自由度が向上します。
◆職員の経営意識の向上
適切な経費負担区分を前提とした独立採算の原則が職員の意識改革を促し、経営に対する意識がさらに向上します。
使用料の納め方について
※本市下水道事業は法の一部適用を採用し会計制度のみ変更するため、下水道使用料の納め方については変更ありません。