2.信仰と祭り
日常生活の平穏や家族の健康を祈り、農業の豊作、商売の繁盛を願う心は今も昔も変わりません。
人間の力ではかなえることのできないこれらの願いを人々は神仏に託しました。神仏への祈願は、そ
の時々に行われたり、毎年決まった日に行われたりしますが、これらの日を総称して「晴れの日」とい
います。

●神仏と信仰

私たち日本人は同時に多くの神々を祀っています。また、時として仏も宗派を超えて祀られることもあります。神仏は、ムラ全体で祀るものから組や自治会・同族・同業者・家などさまざまなレベルで重層的に祀られていました。これらの神仏は祈願の対象であると同時にそれぞれの集団の結束力を強めるためのシンボルとしても機能していました。


●筒粥神事

小正月の行事として神社で行われるものに、下吉田小室浅間神社の筒粥神事があります。これは24本の葭の筒の中に米と粟を混ぜた粥がどれだけ入ったかで、その年の農作物の豊凶を占うものです。翌朝、配布される占いの結果表は、市外から受けに来る人も多く、人々にとって重大な関心事であったかがうかがえます。

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占いの様子

●流鏑馬神事

毎年9月19日に行われる下吉田小室浅間神社の流鏑馬神事は、秋に山に帰る神が、翌春、再び里に降りるまでの間、暮しの平穏無事を祈願するために奉納されるもので、馬の足跡によって争いや火事などを占います。

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矢を射る騎手

●火祭り

富士山の山じまいの行事として8月26日に行われる北口本宮富士浅間神社の火祭りは、富士吉田を代表する祭りの一つです。祭りの由来は、祭神の木花開耶姫が火につつまれた産室で無事出産したという神話にもとづいており、安産・火防の御利益があるとされています。
祭りでは、富士山型の「お山さん」と諏訪神社の「明神さん」とよばれる両神輿が御旅所に到着すると、表通りに立てた大たいまつに一斉に点火されます。町中が火の海となりますが、祭神の功徳により、かつての一度も火事になったことはないといわれています。

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松明に灯るあかり

●地芝居と芝居人形

市域では歌舞伎のことを「芝居」「狂言」などと呼んでいます。始められた時期は不明ですが宝暦年間(1751〜)にはすでに小明見地区で行われていたことが分かります。芝居の担い手は村の若者組が中心で、村祭りの際に神社などに掛舞台を作って演じられていました。

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松王丸
「菅原伝授手摺鑑」の登場人物で、この
地方で好んで行われた芝居の役柄です。